ANA特製ルームシューズ
現役CAへのインタビュー!いつもANAワクワクショップをご愛顧いただき、ありがとうございます。
今回は、現役のCAにANA特製ルームシューズの素材となったシートカバーの機種、B747とB767にまつわる思い出についてインタビューしました。
【緊張の訓練】
私は機種資格を一番初めに取得したのがB6(「ボーイング767」の略称)だったので、今でもB6に乗務する際にはOJT初日の気持ちや当日の状況が思い出されて自然な緊張感がいつもあります。初心を思い出しますね。当時、訓練中はインストラクターと訓練生が隣り合って座っていたのですが、本当に緊張して、ずっと背筋を伸ばしていました。するとインストラクターが、「今、全身が緊張しているでしょ?その緊張がこちらにも伝わってくる。もうちょっとリラックスして、そんなに緊張していたらお客様にも伝わってしまうし、お客様との会話も固くなってしまう。リラックスして、あなたらしくフライトを楽しんでね。」とアドバイスしてくれました。私はこの一言ですっと全身の力みが抜け、その後はとても楽しく充実したフライトをすることが出来ました。訓練生バッジを着けているので、気付いたお客様から、「バッジを着けてるから訓練なんですね。 何日目ですか。」と声をかけていただいて、「今日が一日目なんです。」とお答えしたら、「頑張ってね」と励ましのお言葉をいただいたことを鮮明に憶えています。
【機種特有の苦労】
私はB4(「ボーイング747」の略称)に乗務していた最後の世代なので、今回の企画に参加することができ、嬉しく思っています。B4に乗務する際には、先輩か同期しかいなかったので、アロケーション(乗務する際に担当するポジション)は何年経っても一番下のポジションでしたが、乗務経験を積んでいく中で、様々な役割を担当しました。特に、乗務CAが12名と多い中では、役割分担を工夫し、サービスを円滑に実施できるよう心がけました。特に機材の特徴として客室が1階と2階に分かれているので、クルー同士の連携が難しかったです。お客様をお待たせしないよう効率よくサービスを進めていくために、1階と2階を行ったり来たりして短時間で的確にクルー同士でコミュニケーションをとり、お互いにうまく連携出来るよう取り組んでいたことを覚えています。もちろん、連絡用のインターホンもありますが、一旦自分の席を離れてサービスに出てしまうとなかなか連絡ができないため、階段を上がって実際の様子を見に行ったり、必要な情報をコンパクトに伝えたりという工夫をしていました。当時の経験は、同じように2階席のあるA380に乗務する際に生きていると思います。
【上海ベースCAとの連携について】
B6の国際線で乗務経験を積む際には、上海ベースのCAがとても頼りになりました。様々な機種に乗務する日本ベースのCAに比べて、上海ベースのCAはB6に乗り慣れており、非常にプロフェッショナルな姿勢で、お客様へのサービスも丁寧で素晴らしかった。また、こういう場合ならサービスはこうした方が良いですとアドバイスをくれたり、ギャレー(機内にある、ドリンクや食事を用意する場所)にある機器の使い方を親身になって教えてくれました。お互いにリスペクトし、様々なことを教え合いながら一緒にフライトをしていました。
【ラストフライトについて】
B4は2014年3月をもって退役しましたが、ラストフライトはとても盛り上がりました。機内でも搭乗証明書をたくさんご用意し、CAも通常よりも人数を増やして対応するなど、お客様にラストフライトを楽しんでいただけるよう様々なサービスを行いました。機内販売も沢山お買い上げいただき、もしかするとレシートですら思い出の品にされるためだったのかもしれません。機内の様子では、多くのお客様が機内の写真を撮ったり、通常と異なる機長アナウンスを収めようとスピーカーに録音機材をかざされたりしていました。降機する際には、泣きながら私の手を取り、ありがとう、本当にありがとうとおっしゃってくださって、たくさんのお客様に心から愛される飛行機だったんだと実感しました。
【ルームシューズを試し履きして】
「(実物を触ってみて) なんだか欲しくなっちゃいますね。」
「すごくきれいに作っているんですね。使っていたシートとは思えないです。」
「これ専用に作ったみたいに、本当に『えっ?アップサイクルなの?』とびっくりですね。」
「気持ちいい、(履き心地が)気持ちいいですね。」
「フィットしますね、どんな角度でも、うんうん、本当です。脱げたりしないですね。なんかもうこのままフライトしてみたいです。」
二人ともすっかりルームシューズを気に入ってくれたようです。今回は現役のCAから、ANA特製ルームシューズの素材となったシートカバーの機種についての貴重な思い出を聞かせてもらうことが出来ました。皆さんも、このルームシューズを履きながら、よりANAを身近に感じていただけたら幸いです。
~開発ストーリー~