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手で除梗!?洗濯カゴで収穫!?これぞガレージワイン!樹齢100年のメルローが魅せる、サン・テミリオンの異端児。デビュー作が93点!極小生産、奇跡のガレージワイン…オーナー兼限造家のジャン・フランソワ・ジュリアン氏の 経歴は異色だ。1999年にラ・フルール・モランジュの初 ヴィンテージをリリースするまで彼の本業は大工であった。ジャン・フランソワがワイン造りを始めたきっかけは、同じ右岸のシャトー・ヴァランドローのオーナー、ジャ ン・リュック・テュヌヴァンの成功に影響されたこともある が、そもそもの発端は自治体が彼の土地を公営住宅用に手放すように勧告してきたことに対抗する手段として ブドウを植えたことであったという。それは単なる偶然と 言えるものだったが、彼が持っていた土地はサン・ テミリオンACの南東の外れ、サン・ペイ・ダル マンという場所にあり、この畑がのちに彼の成 功の源泉となる類い稀なテロワールを備えて いたのである。 ネヴィンテージの1999年を、彼は義父のガレージで生産 したのだが、その数わずか900本。資金が乏しく、彼は収穫や選果のために親戚や友人に声をかけて手伝って もらわなくてはいけなかった。収穫用のバスケットや除 梗機などを買う余裕は到底なかったため、バスケットの 代わりに洗濯用のカゴを使い、除梗は全て人の手で行われた。その光景はまさに、「ガレージワイン」と呼ぶべきものであった。手伝ってくれた人たちへの報州はワイン1ケース。彼の最初のヴィンテージは、その報州で全て消えてしまったとジャン・フランソワは笑う。
その翌年の2000年、彼は(当時としてはあまりに奇抜 な)ワイン造りのアイディアを具現化するために、なんと自らの手でワイナリーを建設した。手作業での除梗が話題を呼び、地方紙にその写真が掲載された。その写真を見たネゴシアンがワインをテイスティングしに訪れ、そ のあまりの品質の高さに驚き、今度はアメリカのバイヤーにワインを紹介した。そのバイヤーが2000年の ラ・フルール・モランジュのサンプルをワイン評論家ロバート・パーカーに送り、わずか2ヴィン テージ目で93点という異例の高得点を獲得するに至る。ワイナリーにはネゴシアンからのファックスが殺到し、そのワインはわずか20分で完売してしまった。ラ・フルール・モランジュのデビュー作は、あまりにも衝撃的なものとしてワイン業界に知れ渡ることとなる。
サン・テミリオン南東部 唯一のグラン・クリュ・クラッセ…ジャンシス・ロビンソンMWはフィナンシャル・タイムズの記事の中で、ラ・フルール・モランジュとの鮮烈な出会いをこう書き記している。「私がラ・フルール・モランジュに初めて出会ったのは2008年、大規模なボルドー右岸2005のテイスティングだった。その際ファー・ヴィントナーズのステファン・ブロウェットと私は揃ってこの謎のワインがオーゾンヌかパヴィ、すなわちグラン・クリュ・クラッセから二段階も格上の高尚な4つのシャトーのうち2つだと思ったのだ」。事実、ラ・フルール・モランジュは2000年以降も、新人とは思えない驚異的な高評価を受けてきた。2005年(96/100)、2009年(96+/100)のアドヴォケイト誌の点数は、もはやメドック格付けに匹敵するものである。そして2012年、審査のために必要な「過去10年分のワイン」を揃えることができたジャン・フランソワは、サン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセの称号をいとも簡単に手に入れてしまった。
シャトー・ラ・フルール・モランジュ[2015]年 ぶどう品種:メルロー70%/カベルネ・フラン30% 酸化鉄混じりの粘土石灰質土壌からの 樹齢100年のメルロー70%とカベルネ・フラン30%を フレンチオーク樽100%(新樽100%)で驚異の18ヶ月熟成で 造る究極フルボディ辛口赤ワイン! 酸化鉄と石灰質に由来する個性的なミネラル感! 完熟したブラックベリーの芳醇な果実味と 豊かなボディの高級サンテミリオン!