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≪ワインについて≫
ジェームス・サックリング94点の2021年。
ラテン語の格言「Per Aspera Ad Astra = 険しい道は星に通ずる」と名付けられたネクター・デイの弟的存在。
ネクター・デイと同様、モンジベッロ・デッレ・マンドルライエのブドウを使用し、その名の通り惜しみない労力と愛情により生み出されます。
プラムやラズベリー、ブラックベリーのアロマに仄かなリコリスのヒント。
口中にはチェリーやプラムの風味がスモーキーな樽香とともに広がり、ドライハーブのアクセントを効かせています。
複雑ながら豊かな酸味が全体に軽やかさをもたらし、比較的若いうちから楽しむことができます。

≪生産者について≫
キャンティ・クラシコ地区の中心に位置し、芸術と所縁深いオーガニックエステートであるニッタルディ。
ミケランジェロとも縁のある豊かな歴史もさることながら、ガンベロ・ロッソでトレ・ビッキエーリ、ヴィニタリーとデキャンターで5つ星、ジェームス・サックリングやロバート・パーカーでも常に高評価を獲得する地区随一の生産者です。

シエナとフィレンツェの境に位置するニッタルディは、12世紀に対立する両州間の防衛拠点となり、「神の蜜」を意味する「ネクター・デイ」という名の要塞塔が建てられました。
16世紀にはイタリア・ルネサンス期の芸術家ミケランジェロが所有者となり、この頃から教皇へボトルを献上するようになります。
この伝統は現在も受け継がれ、マレンマの最上級ワイン、ネクター・デイのファーストボトルが毎年教皇に献上されています。
1982年にピーター・フェムフェルト氏とステファニア・カナリ氏が買収し、畑と醸造設備を大規模に改修。
1999年にはマレンマ地方のモンジベッロ・デッレ・マンドルライエの畑、そしてキャンティ地方に長い歴史を持つヴィラ・ローザのブドウ畑を取得しました。

マレンマとキャンティのすべての所有畑はオーガニック農法で手入れされています。
マレンマの畑は海岸からわずか8kmの場所にあり、地中海性気候の影響を受けます。
土壌は主に砂質で、花崗岩や火山岩を含む下層土を持ち、栄養分と水分が乏しいためブドウ樹が地中深くまで根を張ります。
サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、アリカンテ・ブーシェ、プティ・ヴェルド、メルロー、カベルネ・フラン、ヴェルメンティーノ、ルーサンヌといった多品種が栽培され、ネクター・デイとアド・アストラの2つのスーパー・タスカンとヴェルメンティーノ100%の白ワインが造られます。

キャンティにあるヴィラ・ローザの畑のブドウの樹齢はほとんどが50年以上の古樹です。
土壌はガレストロと呼ばれる片岩が含まれた水捌けの良い粘土石灰質。
地域特有の中間気候と相まって素晴らしいサンジョヴェーゼを生み出します。
ここではサンジョヴェーゼに土着品種をブレンドしたベルカント、単一畑のサンジョヴェーゼを使用したカサヌオーヴァ・ディ・ニッタルディ、そして最高年にのみメルローとサンジョヴェーゼのブレンドであるニッタルディ・リゼルヴァ・セレツィオーナを生産しています。

どれも収穫はすべて手摘み、厳しい選果の後、野生酵母のみを使用しステンレスタンクで発酵。
キュヴェによりオーク樽で12-24ヶ月熟成させ、瓶詰め後さらに3-12ヵ月セラーで熟成させます。

ミケランジェロと彼のもたらした芸術とのつながりは現在も尊重されており、1981年以降、カサヌオーヴァ・ディ・ニッタルディのラベルは毎年芸術家によるデザインが施されています。
これまでの作品の中にはジュリアーノ・ゲッリ、オノ・ヨーコ、ギュンター・グラス、ダリオ・フォといった世界的に著名なアーティストのものが多数含まれています。