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山口県萩市は、古い街並みに武家屋敷や町家などが今も並び、城下町として栄えた面影が色濃く残る静かな街。
茶の湯に使う碗、煎茶道具、細工物の陶器として有名な荻焼は、かつて周防・長門を治めた毛利氏の御用窯として発達しました。素地は、柔らかくふっくらとした質感が特徴です。
陶土となる原土は、鉄分を多く含んだ赤黒色の見島土、白土色の金峯山土、灰白色の粘土の大道土を釉薬との相乗効果を狙って調整・調合。釉薬は、透ける素地の土色が特徴的な枇杷釉と、ぽってりと厚く温かみのある白荻釉が主流です。陶土は浸透性・保水性・保湿性が高く、低い温度で長時間かけて焼くことで焼き締まりが少ないため、手にしっとり馴染みます。
また、土と釉薬の収縮率の違いから生じる表面の細かいヒビから茶が染み込み、使い込むにつれて色合いが変化していく「七化け」も面白みのひとつ。時と共に艶が増し、侘びた味わいを醸すことから、古くから茶人の間で珍重されています。
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・鉢:幅15.5×奥行14.5×高さ6cm×2
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