グラッパ特集

イタリアで造られる蒸留酒の一種。同じ蒸留酒としてよく知られる「ブランデー」は白葡萄の果汁のみを原料に用いますが、グラッパはワインを作った後の白葡萄や黒葡萄を用い、果汁以外にも種や皮を原料として用いることが特徴です。また、蒸留方法が定められていない分、造り手によって個性が大きく現れます。

■グラッパとは?



イタリアが定める「グラッパ」と名乗れる基準は「搾りかすだけを蒸溜して造ったお酒のみ」。加水※や加糖をして再発酵させたものは「グラッパ」と表記できない決まりになっています。 ※蒸留後のアルコール度数を調整するための加水は認められています。

グラッパには、透明な「ビアンカ」琥珀色の「リゼルヴァ」「ストラヴェッキア」があります。

「ビアンカ」は、ガラスやステンレスタンクで最低6か月間熟成させた若いグラッパで、スッキリとしたフレッシュ感の高いのが特徴。ストレートに香りや味わいが感じられるので、高いアルコールのアタックも感じやすいです。

「リゼルヴァ」「ストラヴェッキア」は、木樽で熟成され、中には10~20年以上長期熟成させたグラッパもあり、エチケット(ラベル)にも熟成年が記載されます。まろやかでフルーティーな香りに、バニラやチョコレートなどのニュアンスが広がることが特徴。複雑性が高く長期熟成により、高いアルコールのアタックは和らぎ、しなやかで滑らかな口当たりとなります。



■どんなシーンで飲むもの?

飲むと満腹感を和らげるとされ、肉料理を食べた後や食後酒として飲まれています。 おいしい食事でお腹いっぱいになった後、少量の「グラッパ」を時間をかけてゆっくりと堪能するのがイタリア流です。適量の摂取であれば、健康や消化の助けにもなります。
美味しい飲み方をご紹介いたします。

■フルーティーな香りを楽しめる「ストレート」

グラッパにはブランデーの2倍ともいわれるほど様々な香りが含まれており、その香りを楽しむためには温度やグラスも大きな要素。若いグラッパは10度前後、熟成したグラッパは16-18度位がベター。グラスは小振りで細身の下半分が丸く膨らみを持つチューリップ型の専用グラスがおススメ。グラスに並々ではなく1/4程度注ぎ、空気と馴染ませてから、数回にわけてゆっくりとお楽しみください。


■本場イタリアはエスプレッソで。「カフェ・コレット」

イタリアでは砂糖を加えたエスプレッソに少量グラッパを混ぜて飲む「カフェ・コレット」が一般的。エスプレッソ多めに砂糖を入れ、溶け切らないうちにエスプレッソを飲み干し、砂糖の残ったカップにグラッパを入れて飲む「レゼンティン」という飲み方もあります。 グラッパとコーヒーの組み合わせは人気があり、グラッパに浮かべたコーヒー豆に火をつけてたのしむ「グラッパ・コン・モスカ」という遊び心のある飲み方もあります。


■休日の午後にお薦め「グラッパティー」

グラッパをアイスティーで割ったカクテルは、のんびりと過ごす休日の午後にオススメの一杯。紅茶の銘柄はお好みですが、アールグレイなど香りの強いものがよく合います。シロップを加えたり、炭酸水で割ったりとお好みのアレンジをたのしめます。

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